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第六話 小林の真骨頂
小林と杜若の麻雀教室は火曜日と日曜日の平日週末で毎週2回の開催にすることが決定した。かつてのサ◯エさんのようである。
――日曜日
「すいませんね、蘭ちゃんのシフトまでいじることになってしまって」
「謝ることないわぁ。ケンちゃんのせいじゃないって言うか、むしろ私たちが良い仕事をした結果なんだし。それにケンちゃんと一緒に仕事ができる日が増えるのは私は嫌じゃないしぃ~」
「えっ、と。どう言う意味」
「言葉通りの意味よ? 他意はないわぁ」
蘭の意味深な一言で小林は少し考え込むが(いや、他意はないって言ってたじゃないか。多分、上野店で働くよりおれと働く方が気楽でいいとか、その程度の意味だ)と思う事にした。
「今日も沢山の生徒さんが来ると良いわねぇ~」
「日曜日だからとりあえずあの人たちは来ると思うんだけど。昨日は来てないし」
「あ~。例の長谷川春子さんね」
「そう、それとその旦那さん。……よく名前覚えてましたね」
「うちの祖母の名前もハルコなの。平仮名で『はる』に子供の『子』ではる子」
「もしかしてそれで杜若さんと結婚した事で夏の季語も手に入れたから娘の名前には秋の季語ってこと?」
「え、それがわかる人は初めてよ! そう、杜若は夏の季語で蘭は秋の季語。一代ごと季節を巡らせてるの。よく気付いたわねぇ!」
「学校の授業で俳句を習ったときに少しハマってしばらく趣味で俳句を詠んでましたから」
「いい趣味ね。続けなかったの?」
「先日、久しぶりに一句詠みました。日報で」
「日報で? そんなの載せていいの?」
「わかんないけど、好評でしたね」
しばらくすると来客があった。予想通りの長谷川夫妻だ。
「先生、麻雀教室始めたんですね。いいと思います。先生の教え方はわかりやすいしユニークだから私でも楽しく覚えていけたし。先生は教える才能あるわよー」
「春子。先生の名札が変わってるぞ! 主任だって!!」
「えー! おめでとうございます先生。お祝いに何か差し上げないといけないわね。ちょっと考えさせて下さいね」
「え、いえいえ。いいですよ気持ちだけで。来てくれるだけで充分なんですから」
「ケンちゃん大人気ねぇ~」
「あはは、まあ。とにかく、生徒さんも来たし今日の麻雀教室を始めましょう」
小林と杜若はこの麻雀教室の設定目標を事前の会議で決めていた。目標は生徒が点パネ満貫をすんなりわかるようになること。それを出来るようになれば一人前ということにした。
「それでは本日の麻雀教室を始めます。よろしくお願いします」
「「よろしくお願いします!」」
「えーと、今日の教室は普通に麻雀をしますが、ただおれは手牌を公開した状態で麻雀を行います。そして疑問に思う選択や自分と違う選択をしたと思う時には質問してきて下さい。おれが考えてる思考を解説していくので。その解説の補足を蘭ちゃん先生に任せます。いいですか、蘭ちゃん先生」
「任せてぇ」
麻雀教室は開始した途端に参加者が増え始めて大勢の観戦者にも説明するために次回からホワイトボードを用意することが決定した。
渋谷店日報
日報担当責任者 小林
7日の日曜日は第二回麻雀教室を行いました。私が手牌を公開した状態で打ち生徒さんが疑問に思うことを質問して杜若チーフが思考を予想し、私が答えを言うというやり方です。
結論から言えば、うまく行きました。が予想以上に参加者が増えて私の声は通らないため全員に理解させるのが難しいという欠点に気付くことができました。次回からはホワイトボードを用意するということに決まり、いまからホームセンターへと向かう所です。ところで、杜若チーフにも正解がわからなかった手がありました。私の真骨頂とも言える選択です。皆さんも良ければ考えてみて下さい。
小林手牌
六七⑤⑤345678(二二二)ドラ⑤
南家からリーチが入った一発目の西家の手牌です。
対面の36000持ちトップ目の親がリーチを受けて一瞬顔を曇らせます。
局面は南一局7巡目。トップ目以外はダンゴ状態の点棒状況。南家の切ったリーチ宣言牌は2索。つまり鳴ける。
南家の捨て牌には2巡目に8索。5巡目に5索があります。さらに、私の待ち牌の伍-八も切られている。スライドチーして打8とすれば安全にテンパイキープして一発消しもできる。しかし、この時私はツモ山に手を伸ばしました。なぜでしょう。
正解は次回日報で。それではまた!
アクア渋谷
12月7日売上
フリー180200
セット22500
フード4580
計207280
「なんでだろうな? 上村」
「わかりませんね。ノーリスクで一発消しが可能で得しかないように思いますが」
「生徒の前で一発消しをしたくなかったとか?」
「そういうのではなく何かあるはずです。なにかと合理性のある麻雀をする男ですから、この小林という雀士はそういうやつです」
「上村は同番で働いたこともあったんだったな」
「1日だけですが。強かったですね」
「今度私も小林の麻雀教室に行ってみようかな」
「それは面白そうですね」
「ところで、これ答えなんなんだろうなあ」
次回の小林日報を待ち遠しく思う会長と上村なのであった。
57.コバヤシ君の日報 エピローグ 最強雀士の条件(さすが小林さん。伊達にプロじゃないわ)そう思いながら見ていたのは橋本宴だ。とくに宴が見ていて感心したのがこの手。小林手牌 ドラ中三三四四伍⑤⑥334567 六ツモ (小林さんはここから何を切るんだろ。ドラのないタンピン手。リーチするにしてもミニマム3900は打点的に心許ない。現在ラス目。ぜひとも三色や一盃口はつけたいとこだけど…… 456三色と一盃口を両方見るなら少し狭いけど7ね。受け入れ枚数最大と456三色を見るなら四か……) 小林の選択打3(3索か。それは3面待ち固定にはなるけど三色も一盃口も失う選択。打点が欲しい今それは最適打とならない気がしたけど) しかし…ツモ七打三(あっ!)ツモ⑦打三「リーチ」小林手牌四四伍六七⑤⑥⑦34567 ストンと渡辺から2が打たれる。「ロン。12000(メンタンピンイッパツサンショク)」(そうか、三色同順は何も456じゃなくてもいいんだわ。一手変化したらこれは567を狙える手牌。そして3索の早切りにより2索が打ちやすいように河を作るとは。巧妙だ、これ例えば同じ最終形になるとしても最終手出しが3索になってしまうと捨て牌から2索は本命として読めるため止められていたはず。すごいなぁ)「強え。高めが誘い出される捨て牌作りはさすがだわ」「ああん、惜しかったのにぃ」「……手も足も出ない」────「おれの勝ちだな」 最後の勝負は小林の勝利に終わった。 いよいよ別れのときである。「君には負けたよ。なあ、小林君。いつだか謎かけの日報書いた時があったろ。あれの答えの日報をたまたま逃しちゃって読んでないんだよ。いま教えてくんないか?」「ああ、あれか。あれはな――」 小林は渡辺に謎かけの答えを教えた。「――なるほどね。うまいこと言うな」「だろ? 緋呂斗もこれからはそれを大切にな。おれたち雀士はどんなにベストを尽くしても成果に繋がる保証はない。だけど、ベストを尽くす以上にやれることはないんだ。結果、成果を重要視するんじゃなく、何を思って、どんな行動を行ったのか? そこが大事なんだ。な?」「わかりました!」「蘭ちゃんも。もし緋呂斗に成果が出なくても緋呂斗がどんな頑張りをしているのかを見てあげてな」「うん」「あと、ケンジ……」「うん
56.コバヤシ君の日報 最終話 何をしたかが全て 麻雀アクアリウムグループは店舗数は縮小したし、不祥事騒ぎで評判も落としたしでここ数ヶ月で売り上げはガクンと下がった。しかし、それは仕方ないこと。変態や悪人を責任者としてしまったこと、それを見抜けなかったことが招いた結果だ。「二度と同じ失敗はしないようにしよう。我々に今出来ることはそれしかない。そうだろ、上村」「そうですね。数字の上ではひどいことになってしまいましたが。福岡天神の新店もありますし、また心機一転がんばりましょう」「『どんな結果になったか』というのは重要な部分ではない。そう小林も言っていただろう? 重要なのは『どうしたか』『なにをしたか』だと。我々は我々の正義を行った。結果がどうあれ小林はこれでいいのだと言ってくれるだろ」「……ええ。そうですね」◆◇◆◇ 上村率いる渋谷組は福岡天神店オープンに向けて引っ越しを開始していた。 小林と渡辺が同卓するチャンスは結局ないまま今日をむかえていた。 最終日、小林は休みを取って渡辺の引っ越し手伝いをしに渋谷1号店へ来た。「わざわざ悪いね。もうほとんど出来てるから手伝ってくれなくても大丈夫だったのに」「いいんだ。……しばらく会うこともなくなるからな。お別れを言いに来るくらいの仲ではあるつもりだ」「それはそうだけど。貴重な休みに悪い気がしちゃって」「気にしないでいい。こっちが勝手にやってることだ」「あれぇー? 小林くんがいるー」「お久しぶりです」 渡辺の手伝いをしていたら蘭と緋呂斗も店に来た。2人とも今日は休みだが渡辺を手伝いに来たのである。あと、この店とのさよならをしにきたというのもある。 4人になったのであっという間に引っ越しの準備は終わった。「ねぇ、まだ時間があるし。せっかくこの4人が揃ったんだから最後に東風で1回打たなぁい? 立ち番は今は暇だし、宴がいるから大丈夫でしょ」と蘭が提案した。「「いいね!」」七章『コバヤシ君の日報 ~あるユニークな社員の日常~』 終
55.第七話 神戸蘭 約束通り上村はその日のうちに渡辺たちに新店のオープニングスタッフになって欲しいということを話した。「……というわけで、地方だからそれなりに広い寮も用意できるし、すぐにというわけでもないから準備期間はある。どうか私と一緒に来てもらえないだろうか」「福岡ですよね。僕には地元だからもちろんいいんですけど、蘭ちゃんと緋呂斗は…… どうする?」「女子寮は無いが家賃補助等はするつもりだ」「いや、それは大丈夫です。僕たち、近々結婚するつもりだったのでそういうことであれば2人で住む部屋を福岡で探しますよ」「「えええーー!!」」「なんか、思わぬきっかけで発表することになりましたけど前から決めてた事なんで」「そうねぇ。もっと計画を練ってから発表しようかと思ってたんだけどねぇ」「2人ともおめでとう!」「うん、おめでとう!」「ありがとうございます!」「ありがとうね~」 ということでアクアリウム福岡天神ノーレート店はオープンに向けてまず主力スタッフを確保したので、ことは計画通りに進んだ。◆◇◆◇ 後日。「えええー!!!! みんな異動しちゃうんですか! 私の好きな人たち全員で?! そんなのないですよぉおぉおぉ。私も、私も連れてってくださいよおオオオ」「宴は学校があるからねぇ」「うう、学校、ある……」橋本宴は声優の専門学校に通っている。さすがに学生は連れて行けない。「それに宴もいなくなったらこっちの主力が足りなくなるからねぇ。仕方ないよ」「でもでも、ご結婚はおめでとうございます。式はされるんですか?」「式ねぇ。やったほうがいいかな。とは思うんだけど、めんどくさいとも思うの。どうしよぉ」「個人的には副店長のウエディングドレス姿が見てみたいです。もっと言うなら、それだけ見れればあとはどうでもいいかなって……」「宴は素直ねぇ。わかった、写真だけ撮るとかどうだろ。その写真を葉書にして宴にも送るから。それでどう?」「それは、一番いいかもしれません! お二人にとっての一生の記念にもなるし」「だよね」 そのあと蘭は緋呂斗とも話し合って写真撮影のみとすることに決めた。年上で麻雀も強く売れっ子小説家でもある蘭のほうが圧倒的に緋呂斗よりも経済力が上なためお金のかかることの決定権は蘭にあった。なので、本当は緋呂斗は結婚式をやってみたかった
54.第六話 計画決行 鈴乃木と上村は評判の悪い店舗を見て回る旅に出た。すると、良い所も見つかったが悪い所はそれ以上に見つかった。(これは良くない)と考えた鈴乃木は自らの利益を無視してアクアリウムを浄化すると決心した。 その始めが御徒町店炎上騒動だ。アクアリウム御徒町店は責任者が女性従業員に対する準強姦事件をおこし、それを内々で隠蔽し、その後も反省の色なくセクハラを働くという本物の事件を上層部に隠していた。 しかし、その被害者の怒りの訴えにより上村までその事件の話は届き、重い罰を与えることを決定した。 鈴乃木大河は性犯罪を最も嫌っていた。鈴乃木には幼い頃幼馴染が変質者にさらわれて性被害にあって、以来幼馴染が引きこもりの不登校になってしまった過去があった。そのため「性犯罪者は死刑でいいよな、上村」と常々言っていた。そのくらい性犯罪を許さなかった。なのでこの従業員には社会的抹殺を行った。 この犯罪を犯した従業員は担当エリアが広い責任者であったため、事は『アクアリウム大規模閉店事件』へと発展する。 これは鈴乃木にとっても本当に大きな痛手になるはずだが鈴乃木の座右の銘は『義を見てせざるは勇無きなり』であるのでこの結論は仕方なかった。それはボーナスや役職手当てが大幅にカットされた上村も納得していた。 しかし、閉店により罪のない従業員の職場を奪うことにもなり、そればかりは申し訳なかった。 なので──「よし、上村。あの計画を今こそ実行しよう。今は受け入れ先が必要だからな。そうだろ?」「しかし、今はそんな資金を使っていい時ではないような」「なに、そのための金なら計画を立てた時から準備してある。時が来るのを待っていただけだ」「ええ~? それなら私の役職手
53.第伍話 謎かけ日付 5月31日店舗名 アクア渋谷2号店担当責任者 小林フリー売上 98000円セット売上 29900円フードメニュー売上 11100円その他売上 600円計 139600円備考欄・報告事項 5月はポイントをためてあみだくじをするイベントを行っていたわけですが、そのイベントに毎日来てくれたお客様がいらっしゃいました。長谷川雅史さんです。というのも長谷川さんの奥様、春子さんがシャーク君ケータイストラップが欲しい! と雅史さんに言ったから。ストラップはイベントの景品用であり数量限定の非売品です。(これはケータイにストラップという飾りをつけること自体が不思議なことであり上村エリアМの予想では、この文化は一時的なものでいずれ廃れると読んだから数量限定でいいと考えたそうです) 長谷川雅史さんは毎日、来店ポイントをつけに来て、遅くなる前に帰りました。「夕飯は必ず妻と一緒に食べるから」と言って急いで帰るんです。 妻のためにイベントに参加して、妻との時間を大切にするため夕飯までには帰る。素敵なご夫婦だと思いませんか? ここでふと、整いました。 謎かけです。 最強雀士とかけて長谷川雅史さんととく、そのこころは?◆◇◆◇「どう思う。上村」「はあ、今回ばかりは私にもひらめきませんね。しかし、謎かけとはまた面白いことをしてくれる」「答えが気になるな。聞いてこいよ、上村」「明日を待ちましょうよ。私はまだ考えたいので」「ところで上村。お主、なかなか着眼点がいいな。確かに、電話にキーホルダーのようなものをプラプラさせることは不自然だ。これは廃れる文化かもしれんな。数量限定はちょうどいい」「まあ、意外と長く続く文化になる可能性もありますけどね。先のことはわかりません。だからこそ慎重に大量発注などはしない方針がよろしいかと」「上村に任せて正解だったな。これからもよろしく頼む」「は! それでしたら私からひとつお願いが」「なんだ、言ってみろ」「近ごろ我々の目の届かない所で管理者たちが悪さをしてるという噂を耳にしました。アクアリウムは責任者クラスでもならず者が多いとも。これはわたくしたちの責任です。今後のアクアリウムの評判を落とさないように覆面調査を入れる時期かもしれません。調査にかける人員を確保していただけませんか」「そうか、
52.第四話 イベント終了 今日は日曜日。長谷川夫妻が麻雀教室に来る日だ。 小林は長谷川雅史にあらかじめ頼まれていたことがある。──────「小林先生。手間かけて申し訳ないんですけど、あみだくじのおれの選んだ場所は『長谷川』って名前変えといてほしいんだ。偽名はなんでもいいから。週末の麻雀教室に春子が来るだろ。非売品のシャーク君をプレゼントするためにポイントためてるのは春子に内緒にしたいんだ。結局当たらなかったらガッカリさせるし…… な、お願いだよ」「なるほど、わかりました。なにか適当に変えておきます」 とは言ってみたものの偽名って難しいな、と小林は考えていた。長谷川さんであることを忘れない偽名。(うーむ)────── 雅史は(小林先生ちゃんと言っておいたことやってくれたかな)と気にしながら渋谷にやってきた。「こんにちは」 長谷川夫妻来店。入店するやいなやあみだくじの名前欄を確認する雅史。すると――セガさん いや、ゲーム会社か! と内心ツッコんだ。逆に目立つわ「ねー、アナタ。あれみて。セガさんだって。ゲーム会社の人なのかな?」「あっ、ああ。そうだな」(ほらー! さっそく気にしてんじゃん! ハ(セガ)ワからきてるんだろうけど、そんなら瀬川で良かっただろう) だけどまあ、気にはしたもののセガさんが雅史であるとは思わなかったようである。春子がピンとこなければ作戦成功だ。────── そんなこんなで隠し通してイベント期間が経過していった。そして、ついに今日はイベント最終日。 あみだくじはもう全部埋まっていてあとは今日のくじを開くメインイベントを残すのみとなった。 雅史は後半から調子を良くして最終的に6ヶ所に『セガ』の名前を書いた。シャーク君ストラップはたくさんあると聞いたがシャー子ストラップはレアらしい。当たるといいのだが。1つ目…2ゲームサービス券2つ目…2ゲームサービス券(またか)3つ目…ドリンク券4つ目(そろそろ当たってくれ!)…シャー子ケータイストラップ「来た! シャー子! やった!!」思わず声を上げて喜ぶ雅史。もう当たらないのかと思い始めていた所にまさかのレア! しかし、このリアル寄りなサメをピンク色にしただけのケータイストラップをここまで喜ぶのはこの世で長谷川夫妻だけだろう。『セガ』さんの
7.第七話 降り打ちへのいざない 渋谷店日報日報担当責任者 小林 まずは気になっている方もいると思いますので前回の日報に載せたクイズの答えから。 詳しい状況は割愛しますが、要するに上家のリーチの一発をノーリスクで消してテンパイキープできる現張りザンクの手をスライドチーせずリスク承知でツモ山に手を伸ばしました。という場面ですね。 ちなみに、前回書いてませんでしたが南家がリーチしたこの時、36000持ちトップ目の親は直前に手出し④筒としていました。ドラは⑤筒ですのでドラ表示牌です。そしてリーチを受けて嫌そうな表情を瞬間しました。親番の長谷川春子さんは素人にしてはかなりポーカーフェイス
5.第伍話 アガリのコツ 麻雀教室初日は大盛況だったと言って良いだろう。 最初の数十分は勝手が分からずイマイチ決まらなかったが杜若蘭の助けがあったので後半は初めてにしてはなんとかうまく回せた。「蘭ちゃんありがとう。今日はおかげで助かりました」「いいのよー。そのために呼ばれたんですもの。私は私の仕事をしただけよぉ」 杜若蘭を初めて見た時は緊張していたし、この人とコンビでやっていけるか不安だった小林だが、いざ組んでみたらこれ以上ないくらい良いコンビであった。この調子なら週1の麻雀教室くらいは大丈夫そうである。 渋谷店日報日報担当責任者 小林 今月2日から渋谷店で麻雀教室が始まりま
4.第四話 常連客 長谷川春子 12月1日はシフトの都合上どうしても上野店に応援で出て欲しいと言われていたし上野店所属の杜若も当然上野店に出勤するので渋谷店の小林麻雀教室(仮)は2日から開催することになってる。 他店応援の時はなにかと慌ただしいのでそんな日まで日報を書いたりはしない。そういう時は別の責任者が担当したりする。なので今回は渡辺副店長が渋谷店日報を久しぶりに書いた。小林日報はお休みだ。「なんだ。今日は小林の日報は無いのか」「残念ですね。会長」「うむ。ところで上村(かみむら)。頼んでいた件はどうなってる?」「アクアリウム公式マスコットキャラクター『シャークくん』のグッズ作
3.第三話 レンタルスタッフ杜若蘭「えっ、おれが麻雀講師するってこと?」「そうらしい」「まって、そんなんやったことねーし。ケンジももちろん手伝ってくれるんだよな?」 せめて渡辺健司副店長くらいの腕のある助手は欲しい。 すると……ピロン♪ 渡辺のケータイが鳴った。それは上村SVからのLINF連絡だった。「SVからか?」「……うん、僕は遅番だってさ。シフトもまた作り直し。小林君は1日付けでバイトから正社員。役職は主任で早番は小林君を中心に回すって」「昇進するのはいいんだけどケンジが遅番になるってことは麻雀講師はおれら2人ではできないってこと?」「そうなるね」「えー、ムリ